野の花のチーズ
外皮に数種類の花びらがまぶされた『ヴァインセンブルーメンケーゼ』はオーストリア国境沿いのドイツのバイエルン地方の生乳からつくられたチーズで今が旬です。味わいはまろやかで芳醇な香りとコクの中には熟成されてつくられたうまみ成分のアミノ酸を豊富に感じます。このチーズを行きつけのお店のベルギー人の方はヘーゼルナッツの風味があるとお客様に説明されていましたが日本のチーズに関するサイトでは納豆や鰹節のような香りを感じると書かれてあって、食のバックグラウンドの違いによりこのように表現方法が異なるということは実におもしろいことだと思います。
そしてヨーロッパのチーズの中には塩辛や漬け物の古漬けを感じるものが存在し日本酒とのマリアージュも抜群で今やこういう組み合わせを多くの方が楽しまれていることでしょう。
昨年の2月のアミューズの中に九州伝統の山川漬けを盛り合わせましたが塩と大根だけでつくられた素朴な漬け物なのに何とも言えない複雑なうまみが詰まっていてその小さな一切れには凄い存在感がありました。今年はアミューズの中に漬け物感覚でこの野の花のチーズを盛り込んでみました。この時季には毎年欠かせない『ヴァインセンブルーメンケーゼ』はわたしのお気に入りです。
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